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クリーンルームの温度管理

クリーンルームとは

クリーンルームは、空気中の微粒子や埃、微生物を高度に管理し、極めて清潔な環境を維持するための空間です。半導体や医薬品、精密機器などの分野では、製品の品質や信頼性を確保するためクリーンルームは欠かせない施設です。

クリーンルームの大きな特徴は、空気中の微粒子数を厳格に管理すること。ISO 14644-1の国際規格に基づき、ISO CLASS 1から9までの清浄度クラスが設定されています。最も高度なISO CLASS 1では、1立方フィートあたり0.1μm以上の微粒子を10個以下に抑えるという基準が適用されます。

クリーンルームの温度設定

クリーンルームの温度は、23℃±1℃に保つことが一般的とされています。空調システムのコストや運用条件によっては、±2℃や±3℃の範囲で管理されることも。また、製品自体に影響が少ない場合は、作業員を考慮し冬場は18℃程度、夏場は26℃程度に設定されることもあります。

湿度に関しては、55%±2%が理想的な環境とされています。しかし、温度管理と同様にコストの影響を受けるため、±5%や±10%の範囲で運用されるケースもあります。なお、製造環境によっては湿度の調整が必要になることもあり、金属部品の錆を防ぐためには湿度を50%以下に設定し、静電気の発生を抑えるためには40%以上に保つといった対応が行われる場合もあります。

クリーンルームの温度管理のポイント

断熱・防熱素材やパネルが必要

クリーンルーム内の温度や湿度が一定であることは、精密機器や化学製品、医薬品の製造・品質において重要です。

断熱性が不十分な場合、外部環境の影響を受けやすくなり、温度変動や湿度変化が発生します。温度変化のリスクとして、半導体製造における微細加工の精度低下・医薬品の品質劣化・バイオ研究における細胞培養の失敗、などの問題が生じる可能性があるため注意が必要です。

断熱材の種類

クリーンルーム用パネルの芯材には、高い断熱性能を持つ材料が使用されます。代表的なものには以下があります。

  • 硬質ポリウレタンフォーム:優れた断熱性能と軽量性を兼ね備えた素材。
  • イソシアヌレートフォーム(PIR):耐熱性が高く、火災時の安全性もある素材です。
  • ロックウール:断熱性のほか不燃性に優れており、耐火性が求められる環境にも適しています

気密性の高い防熱扉

クリーンルームの温度管理を適切に行うためには、扉の選定も重要なポイントになります。一般的な住宅用の扉は隙間が多く、外気の影響を受けやすいため、クリーンルームには適していません。外部からの空気が容易に流入すると、室内の温度が安定しにくくなるだけでなく、ホコリや粉塵が入り込む原因にもなります。

そのため、クリーンルームには気密性の高い防熱扉を使用することが求められます。防熱扉を採用することで、室内と外部の空気の流入出を最小限に抑え、清浄な環境を維持しやすくなります。また、気密性が高いことで空調設備の負荷が軽減され、エネルギー効率の向上にもつながります。

ほかにも、クリーンルームの用途によっては、開閉時の気圧差を考慮し、自動でしっかり密閉できるタイプの防熱扉を選んでもよいでしょう。

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クリーンルームの温度管理における注意点

クリーンルーム用のエアコンが必要

クリーンルームの温度管理を考える際、一般的なエアコンを直接設置することはできません。これは、一般のエアコンがクリーンルームの環境に適した仕様になっていないためです。例えば、通常のエアコンは塵埃を十分に除去できるフィルターを備えておらず、空気中に微粒子を再放出してしまうことがあります。

また、エアコン内部のフィルター自体が塵埃を発生させ、クリーンルーム内に流れ込むリスクもあります。さらに、室内の塵埃を吸い込み、それを再び空気中に拡散させることもあるため、クリーンルームの清浄度を維持する上で適していません。

クリーンルーム専用エアコンは高度なフィルターを備え、発塵を抑えながら温度調整を行うことができます。ただし、一般的なエアコンに比べて高性能である分、コストも高くなる点には注意が必要です。

気流をコントロールするシステムが必要

クリーンルームでは、単に温度を調整するだけでなく、空気の流れをコントロールすることが求められます。均一な気流を確保することで、特定の場所に塵埃が滞留するのを防ぎ、室内の清浄度を維持することができるからです。

空調システムは、適切な風速で空気を供給し、室内の空気の流れを一定方向に保つ役割を担います。これにより、塵埃が拡散するのを防ぐだけでなく、床や設備の表面に堆積しにくくする効果もあります。

また、室圧を適切に管理することで、外部からの汚染物質の侵入を防ぎ、逆にクリーンルーム内の物質が外部に漏れ出るのを防ぐことができます。特に、高い清浄度が求められる環境では、室内を陽圧に保ち、外部の汚染された空気が入り込まないようにすることが重要です。

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