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冷凍倉庫の温度ムラを改善するには?

「同じ庫内なのに、奥と入口で温度が違う」「設定温度どおりに全体が冷えていない」といった温度ムラに悩む冷凍倉庫の管理担当者は少なくありません。温度ムラは商品の品質低下だけでなく、余計な電力消費にもつながります。本記事では、温度ムラが起きる原因の切り分け方と、運用面・設備面それぞれの改善方法、そして見落とされがちな防熱扉との関係について解説します。

冷凍倉庫の温度ムラが招くリスク

温度ムラとは、同じ庫内でも場所や時間帯によって温度が均一にならない状態を指します。庫内の平均温度が設定値どおりであっても、局所的に温度が上がっている場所があれば、そこに置かれた商品はリスクにさらされます。

冷凍焼け・品質劣化による商品ロス

庫内の温度が安定しない場所では、商品から水分が蒸発して乾燥する「冷凍焼け」が起こることがあります。冷凍焼けが生じた商品は、変色や食感の変化によって商品価値を失い、廃棄せざるを得なくなる場合もあります。

また、温度の上下を繰り返す環境では品質の劣化が進みやすくなります。庫内の一部だけが温まっている状態は日常点検では気づきにくく、問題が表面化したときにはまとまったロスになっていることも珍しくありません。

過冷却による電力コストの増加

温度ムラがある倉庫では、温度が高くなりやすい場所に合わせて設定温度を下げる運用になりがちです。その結果、庫内の大部分は必要以上に冷やされることになり、冷却設備の稼働時間が伸びて電力消費が増加します。

温度ムラは、品質リスクと電気代の増加という二つの負担を同時に生む状態だといえます。電気代の側面から対策を検討したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

冷凍倉庫の電気代削減方法を
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冷凍倉庫で温度ムラが起きる4つの原因

温度ムラの原因は、大きく「気流」「保管方法」「冷却設備」「出入口」の4つに分けて考えると整理しやすくなります。どれか一つだけが原因とは限らず、複数が重なっているケースもあります。

庫内の気流・空気循環の不足

冷却設備だけでは庫内のすみずみまで冷気が行き渡らず、倉庫内の最高温度と最低温度に差が生まれます。冷気が庫内をひととおり巡らないまま戻ってしまうと、吹き出し口の近くだけが冷え、奥や隅には冷気が届きません。吹き出し口が荷物でふさがれている、風量が低下しているといった状態も、循環不足の原因になります。

荷物の積み方・保管方法

パレットを壁際まで詰めて置いたり、天井近くまで高く積み上げたりすると、冷気の通り道が塞がれます。棚と壁の間、パレットとパレットの間に隙間がない状態では、冷気が特定のルートしか流れず、その裏側が冷えにくい領域になります。

冷却設備の能力低下・霜付き

冷却器のフィンに霜が厚く付着すると熱交換の効率が落ち、設定温度に到達するまでの時間が長くなります。除霜のサイクルが運用実態と合っていない場合や、フィルターの目詰まりが放置されている場合も同様です。

出入口の断熱・気密の低下

フォークリフトが通過する出入口は、庫内で外気の影響を受けやすい場所です。扉の周辺だけ温度が高い、床に氷が張っている、扉まわりに霜が付いているといった状態は、出入口から外気が侵入しているサインといえます。扉の開閉時間が長い運用に加え、扉そのものの断熱性能や気密性が落ちている場合、出入口付近に恒常的な温度ムラが生じます。

温度ムラの原因を切り分ける手順

改善策を選ぶ前に、どこに原因があるのかを絞り込みます。設備の入れ替えから着手すると、原因が保管方法にあった場合に費用が無駄になりかねません。

庫内の複数地点で温度を測る

庫内の温度計が1か所だけでは、その地点の温度しか把握できていません。出入口付近、庫内中央、最奥部、棚の上段と下段など、条件の異なる複数地点で同時に記録すると、どこがどれだけ高いのかが見えてきます。記録は数日にわたって取ることが望ましいでしょう。

時間帯や作業状況とあわせて記録する

温度の記録には、入出庫の有無や扉の開閉回数、外気温をあわせて残しておきます。作業がない夜間も特定の場所だけ温度が高いなら、気流や冷却設備の問題が疑われます。反対に、入出庫作業のある時間帯にだけ出入口付近の温度が上がるなら、外気の侵入が主な原因と考えられます。

冷凍倉庫の温度ムラを改善する方法

改善策は、運用の見直しから設備の更新へと段階的に検討すると、投資対効果を判断しやすくなります。

循環ファン・送風機で庫内の空気を撹拌する

ファンや送風機を活用すると倉庫内の空気が撹拌され、室内温度の均一化につながります。冷気が届きにくい最奥部や棚の裏側に向けて送風することで、庫内の温度分布を平準化する狙いです。既存の冷却設備を入れ替えずに着手できる点も利点です。

冷気の通り道を確保する保管レイアウトに変える

壁面や冷却器の吹き出し口の前に空間を確保し、パレット間にも隙間を設けることで、冷気が庫内を巡る経路をつくります。積み上げの高さを見直し、吹き出し口をふさがない配置に改めるだけでも、温度分布は変わります。

冷却設備のフィルター清掃・除霜サイクルを見直す

フィルターの定期的な清掃と、運用実態に合った除霜サイクルの設定は、冷却効率を保つうえで欠かせません。霜の付き方が以前より早い、除霜後も設定温度に戻るまで時間がかかるといった変化があれば、設備側の点検を依頼する目安になります。

前室やドックシェルターで外気の侵入を抑える

前室と冷蔵庫を分けた構造を採用することで、作業スペースと保管スペースの動線を分離し、温度ムラや衛生リスクを抑える工夫が施されている施設もあります。また、ドックシェルターや高速シャッターは、荷物の搬入出時における外気流入の抑制に役立ちます。既存倉庫でも、出入口の構成を見直すことで外気の影響を減らせる場合があります。

ドックシェルターについて
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防熱扉の劣化が温度ムラを生むしくみ

気流も保管方法も見直したのに出入口付近の温度が下がらない場合、防熱扉そのものを疑う段階に入ります。防熱扉は庫内と外気を隔てる最前線であり、その性能低下は局所的な温度ムラとして現れます。

パッキンの劣化や建て付けのずれによる局所的な外気侵入

扉と枠の隙間を埋めるパッキンは、開閉の繰り返しや低温環境の影響で経年劣化します。パッキンが硬化・変形すると扉を閉めても隙間が残り、そこから継続的に外気が入り込みます。フォークリフトの接触による建て付けのずれや蝶番のがたつきも、同様に隙間を生みます。扉を閉めた状態で外側から光が漏れる、閉まりが以前より重いといった変化は点検の目安です。

扉の断熱性能不足と扉まわりの結露・霜

庫内は低温に保たれる一方、外気は温かく湿度が高いことが多く、この温湿度差によって空気中の水分が冷やされ、水滴となって現れます。結露の要因には、出入口・扉の開閉による外気侵入や、断熱構造の劣化によるすき間からの冷気漏出が挙げられます。扉まわりに結露や霜が繰り返し発生している状態は、扉の断熱性能が求められる水準に届いていないサインと考えられます。結露水が凍結すれば、床の滑りによる作業上の危険にもつながります。

扉の更新で見直すべきポイント

扉を更新する際は、扉本体の断熱性能だけでなく、開口寸法との納まり、開閉方式、シーリング処理までを一体で検討することが重要です。庫内の温度帯や搬送機器、作業動線は現場ごとに異なるため、既製品の仕様に収まらない場合は、条件に合わせて製作できるメーカーへ相談するとよいでしょう。

防熱扉のパッキン劣化について
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まとめ

冷凍倉庫の温度ムラは、気流・保管方法・冷却設備・出入口という4つの原因が単独あるいは複合して生じます。まずは庫内の複数地点で温度を記録し、どの原因に起因しているのかを切り分けることから始めましょう。運用の見直しで改善が見込める部分も多いため、費用をかけずに着手できる対策から順に検討することをおすすめします。

一方、出入口付近だけ温度が下がらない、扉まわりに結露や霜が繰り返し発生するといった状態であれば、防熱扉の断熱性能や気密性の低下が背景にある可能性があります。扉の開閉がしにくい、長年交換していないという場合は、扉自体の更新を選択肢に入れてみてもよいでしょう。

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